白石一文「彼が通る不思議なコースを私も」
白石一文「彼が通る不思議なコースを私も」読了。300ページほどの作品ですが、文字の区切りが短く、ページに空き空間が多いため、実質は半分ぐらいのページ数のためあっという間に読めました。もちろん内容もよくて、先を読みたいがためにどんどん読み進めた結果でもありますが。...
View Article白石一文「一瞬の光」
白石一文シリーズの読書続行中。今回読了したのは、彼のデビュー作というべき「一瞬の光」。 38歳の若さで大企業の人事課長になった橋田浩介という東大出身のエリートサラリーマンが、ある夜偶然に、採用面接した短大生を暴漢から助けるところから話が始まる。彼はその女性の身の上、すなわち母親や兄から虐待を受けて育ったことを打ち明けられ、彼女の精神的苦痛などを和らげようと寄り添っていく。...
View Article白石一文「光のない海」
白石一文「光のない海」読了。 白石作品を集中的に読んでいますが、本作も読みやすい語調で、すいすいと読めましたが、主題がどこにあるのかが若干あいまい。...
View Article白石一文「神秘」
白石一文作品「神秘」読了。560ページの大作ではたして最後まで飽きずに読み終えるかと心配しましたが、次第に興味深くなり、ペースも上がって読み終えました。 私(菊池)を中心にして、一つの出会いがまた他の出会いを生み、その積み重ねが最後に終結して行く不思議な物語。もちろんそんな偶然が続くわけがないのは自明ですが、不自然さを全く感じさせない魅力のある作品。...
View Article映画「悲しみにこんにちは」、「ワンダー」
久しぶりのギンレイホールでの映画鑑賞。本日はスペイン映画「悲しみにこんにちは」とアメリカ映画「ワンダー」 両方の映画とも子供が主役ということで、年齢層の高いお客さんの多いギンレイホールはさすがにいつもほどの盛況ではなく、空席も見られました。...
View Article柚月裕子「盤上の向日葵」
柚月裕子作品「盤上の向日葵」読了。これまた560ページの大作。ただし会話が多い作品で、読みやすく、文字量としては400ページぐらいの物量なので、そんなに長編とは感じつ、かつぐいぐいと引き込まれる作品。中学生騎士藤井聡太の出現によって俄然盛り上がる将棋界ですが、そんなタイミングで発表された作品でもあり、人気があるようです。...
View Article柚月裕子「凶犬の眼」
柚月裕子「凶犬の眼」読了。「孤狼の血」で主人公大上刑事の部下となり、大上のやくざとの付き合い方や、やくざの抗争の何たるかを、大上哲学で学んだ若き刑事、日岡が今回の主人公。...
View Article映画「マイ・サンシャイン」
アメリカ映画「マイ・サンシャイン」を新宿武蔵野館で鑑賞。武蔵野館を運営するのは武蔵野興業という東証二部上場の会社。新宿駅東口駅前の、武蔵野館の入るビルのほか、すぐ近くのシネマカリテという映画館の入るビルを所有し、不動産業と映画館、そのほかに自動車教習所も運営している会社。年商は15億円ほどで経常利益が1億円弱、配当はありません。そんな会社の株を4~5年前に購入したのは、映画館の株主優待券があるから。...
View Article桜木紫乃「ふたりぐらし」
桜木紫乃「ふたりぐらし」読了。この小説での二人とは、映写技師で仕事がたまにしかない信好と看護師の紗弓。信好はなかなか仕事が見つからず、半ば紗弓に食べさせてもらっているような状態。それでも、その優しさから紗弓から愛されている。また、信好もまた、紗弓の優しさを気に入ってとても仲のいい夫婦。そんな二人の生活を変わりばんこに短編風に描いた作品。桜木さんの作品は、北海道の厳しい自然をバックに、人間関係の機微を...
View Article白石一文「ここは私たちのいない場所」
白石一文「ここは私たちのいない場所」読了。 先日読んだ「神秘」に出てくるような中年男性が主人公。 主人公の芹澤さんは、大手食品会社の役員。彼は独身を貫いて仕事一筋で生きてきた優秀なビジネスマン。しかしある事件の責任を取ってあっさりと会社を辞める。50歳そこそこのサラリーマン役員でも、あっさり辞めて生活の心配がないのはうらやましい限りですが、独身だからこそできる芸当。...
View Article映画「いつか家族に」
韓国映画「いつか家族に」をシネマート新宿にて鑑賞。 中国人作家・余華という方の小説「血を売る男」を、朝鮮戦争が終わった時期の韓国に舞台を移して、俳優のハ・ジョンウが監督・主演した作品。...
View Article朝井まかて「最悪の将軍」
平成最後の年末、平成最後の正月、その他多数の「平成最後の」が飛び交った年末年始。特にテレビはすさまじい頻度で語られました。平成を回顧する番組も多かったと思いますが、果たしてこの平成の時代はどう位置づけられるのか?ただ、今上天皇を悪く言う言葉はどこからも聞こえません。昭和天皇については、やはり戦争責任を絡めて、諸説が行きかったと思うのですが、平成の世では、少なくとも戦争の当事者とはならず、もちろん太平...
View Article浅田次郎「長く高い壁」
浅田次郎先生作品「長く高い壁」読了。浅田先生得意の中国もの。ただ、主人公は中国人ではなく日本軍人。1938年の中国北京近く、万里の長城がある「張 当時の日本軍の中国侵略を時系列に追ってみましょう。 1931年:満州事変勃発、南満州鉄道が爆破されたことを契機に関東軍が奉天、南満州を占領 この爆破も関東軍のによるものと言うのが通説(柳条湖事件)...
View Article映画「運命は踊る」、「判決 ふたつの希望」
1月12日(土)はギンレイホールにて珍しい中東の映画2題鑑賞。 「運命は踊る」はイスラエル映画。ベネチア映画祭審査員大賞を受賞したということで日本で上映にこぎつけたのでしょうが、それほど評価できる作品化?が私の感想。...
View Article荻原浩「海の見える理髪店」
荻原浩が直木賞を受賞した短編作品集「海の見える理髪店」読了。表題作はじめ全6篇はいずれも読みごたえのある作品。特に表題作がやはり代表格でしょうか。...
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